フェミニストカウンセリングとは…

●フェミニストカウンセリングの生い立ち

1970年代の欧米で、女性同士が語り合うCR(意識覚醒)グループができました。その中から女性たちは、自分の体験は多くの女性たちも同じように経験しているのだということに気づきました。セクシュアルハラスメント、ドメスティックバイオレンス、性的虐待といった暴力を受けていたり、周りや社会が求める女性像や役割と、自分自身との違いにとまどい、悩んでいたり・・。

「私が悪いから、こんな目にあうんだ」、「こんなことで悩む自分はおかしいのではないか」と、自信がもてなかった女性たちが、女性自身の視点でものごとを考え、感じはじめ、「私がこう感じるのは、私らしいことで、おかしくないんだ」と思うようになりました。

女性の視点で社会を捉えなおすことで、女性が住みやすい社会をつくる運動が盛んになる一方で、長い間に心や意識に刷り込まれた「女らしさ」によって、自分らしく生きることが難しくなっている女性を、心理面からエンパワメントしサポートしようと、女性のための女性によるカウンセリングが生まれました。それがフェミニストカウンセリングです。
日本では1982年に河野貴代美さんが始められました。

●フェミニストカウンセリングの特徴は?

女性の悩みはそれぞれ個別のものですが、女性として社会に生きるがゆえの共通の問題があります。フェミニストカウンセリングでは、女性の抱える問題を、本人の性格や病理の問題のみにその原因を求めず、社会が女性に求めているあり方や役割が、個人である女性の生き方や考え方に深く関わり、女性の生きにくさに影響を与えているのだととらえ、女性の抱える問題は、私たちの社会がつくりだしている問題だと考えます。

フェミニストカウンセリングでは、そうした女性の置かれている社会的位置を踏まえながら、苦しい状況にあるひとりの女性が、どうすれば自分の本来持つ力を発揮し、自分らしい生き方ができるのかを共に考えます。そして、そのひとりひとりの女性の生き方に寄り添うことを通して、女性が生きやすい社会になることを目指しています。

●「女性への暴力」とフェミニストカウンセリング

セクシュアルハラスメント、ドメスティックバイオレンス(DV)、性虐待、性暴力など、「女性への暴力」の被害にあった女性をサポートするには、被害女性の視点と立場に立つフェミニストカウンセリングが特に有効です。

フェミニストカウンセリングは、女性への暴力はなぜ起こるのか、被害を受けた女性はどんな影響を受け、心身ともにどのような状態になるのか、どのような回復の道を辿るのかを、被害女性に寄り添い、共に歩む中から理解し、よりよいサポートに向けて常に研鑽を積んでいます。